第14章

「あなたのスマホのアルバムに、琛様を盗撮した写真がある」

今井美香の言葉に、前田南の顔色が一気に曇った。

スマホの写真フォルダのことをすっかり忘れていた。

「スマホ」

望月琛が冷たく言い放った。

今、スマホは警察の手にある。彼の意図は明白だった。自ら確認するつもりだ。

彼はK市の望月家の確固たる後継者であり、ビジネス界で雲を手のひらで転がすような実業界の帝王だ。

彼の地位と権威に、誰が挑戦できるだろうか。

すぐに、前田南のスマホが警察から望月琛の手に渡された。

望月琛は顔色を暗くしたまま、一言も発せずにスマホを開いた。

彼は写真フォルダを見つけた。

そこには、池の前に立...

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